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【第5回掲載コラム】デジタル化された文書の保存手順
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紙媒体の画像をデジタル的に保存するのが、e-文書法の基本です。したがって、読める状態で保存するという意味での見読性は最低条件となります。各府省が定める省令を見ればわかるように、
実際のe-文書法は、幅広い文書を対象としている法律であり、要求する要件の厳格性も異なります。また、対象となる文書はそのほとんどが見読性のみを要求されており、改竄された痕跡が判別できることまでは要求していますが
改竄防止までは要求していません。実際の作業では、デジタル化された文書をスキャナで読み取り、なんらかの検索ができるようにキーワード付与などして、長期に保存するための記憶媒体に保存します。
それでは、デジタル化した文書の保存の仕方について次の3つがあります。
各府省で定める省令についてはこちらを参照下さい。
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/it2/others/e-bunsyou.html
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画像読み取り(スキャナ)
読み取りで要求されることは、一般的には、内容が読めること(見読性)で、更に厳格な国税書類は、修正された痕跡が判別できること(真実性)が要求されます。
使える読み取り機器は、原稿台と一体化された通常のスキャナタイプか、ファックスのように用紙を送って読み取るタイプのスキャナです。
デジタルカメラや、ハンディスキャナは使用不可になっています。電子保存の実務では、大量に書類を読み込むので複数枚同時に読み込む機能や、
キャリアシートにのせた領収書などをトラブルなく読み込めることがスキャナの
機能として求められます。特にコピーのソータ機能のように、複数枚を同時に
読み込む機能は重要です。大量の書類を処理してもトラブルなく稼動する
スキャナを選択すべきでしょう。
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検索用キーワード付与
検索性はe-文書法では要求されていない場合が多いですが、書類を保存しても、検索用のキーワードが付与されていないと使い物になりません。検索用のキーワード付与の具体的な技術的方法は、e-文書法では規定されていません。
実際上の運用として、IRでもよく使われるPDF(ポータブルドキュメントフォーマット)のように、画像ファイルと、検索用キーワードが一緒に保存できる仕組みを利用することをお勧めします。その中でも、PDFは一般的に広く使われているので、特定のアプリケーションに依存せずに、管理保存ができるのが長所です。
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長期保存
デジタル化された文書の保存は、情報流出防止のためにセキュアな環境での保存やデータアクセスコントロールなどのファイリングシステムが要求されてきます。
それらは、デジタル化されたデータのバックアップや、デジタルデータ作成者の記録や、データへの読み取りアクセスの記録管理など、
デジタル情報の管理で本来重要な作業であり、e-文書法に規定がなくても業務として本来実施すべきことであります。
今後、デジタル化された文書を安全に長期保存する方法としてデータセンターの活用も検討の一つとして考えてはいかがでしょうか。
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